毒親について②条件付きの愛

 

こんばんは、

心理療法カウンセラーの森口です。

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

毒親と呼ばれる人の中には、

子どもをコントロール(支配)してしまう人もいます。

悪気なく無意識に。。という人も少なくありません。

 

子どもの年齢によって必要なコントロールもあると思うので、

コントロール自体が悪ということではなく、

過剰なコントロールや

ある程度の年齢になってもおこなわれるコントロールが

子どもにとっての毒になるのだと思います。

 

親は、コントロールしようと思って故意にやっているというより、

無意識にやっていることがコントロールになっていて、

それに気付かずにいる場合が多いかもしれません。

 

知らないうちに条件付きの愛情ばかりを注いでしまうというのも、

コントロールに繋がります。

 

親はそんなつもりないと思っている場合もありますが、

そんなつもりがないことが、

無意識にやってしまっているということであり、

子どもは条件付きの愛しかもらえなかったと

感じる場合があります。

そう感じた子どもは、

自分にOKを出すことが難しくなります。

 

 

例えば、

 

お手伝いをすると優しくしてもらえるけど、

何もしないと冷たくされたり無視されたりする。

 

 

テストの点数が良いと機嫌がいいけど、

そうでないと不機嫌になったり、

小遣いが減るなどの罰がある。

 

 

いい子にしているとすごく褒めてくれるし、

やさしくしてくれるけど、

そうでないと態度が変わってしまう。

 

 

楽しかった話、頑張った話、

褒められた話は喜んで聴いてくれるけど、

悲しい思いをしたことなど、

親が気分よくいられない話題は聴いてもらえない。

嫌そうな表情になる。

 

 

親の言うことを素直に聞いた時は

美味しいご飯を作ってくれるけど、

不機嫌にさせた時は、

しばらく口もきいてくれないし、

お弁当も作ってもらえない。

 

 

大人にとって都合の良い「いい子」でいる時だけ、

愛されていると感じられるような親の反応が貰える。

 

これらのようなことが全く無いという人も

たぶんいないと思いますが、

これが日常的で繰り返しある場合は条件付きの愛と言えるかもしれません。

 

 

 

親が喜ぶような自分でいられなかった時、

親が大きなため息をついたり、

不機嫌な態度、嫌そうな表情になることが多い場合、

「ダメな自分は受け入れてもらえない。」という

メッセージが子どもに伝わります。

「自分は無条件には愛してもらえない存在。」と、

思い込んでしまうのです。

 

失敗したようなことや、

辛いことや、悲しかったことなどの話題は、

親が不愉快そうな顔をするから言えないし聴いてもらえない、

その時の気持ちは行き場を失くして、

自分の奥に沈んでいきます。

 

無意識に抑え込んだその気持ちは

放っておいてもいなくなりません。

心の奥底にあり続けることになります。

在り続けるその感情は、今の自分に影響を及ぼします。

 

自分の気持ちを肯定できなくなってしまうので、

自己否定が前堤の人生になりますし、

大きな怒りをコントロールできずに

些細なことで怒りを感じてしまったり、

心がいっぱいいっぱいで

心身に何らかの症状が出てしまったりします。

 

 

その他にも、

成績が悪かったり、何かに失敗したとき、

「ほらみろ!」「だから言ったのに!」

「だからお前はダメなんだ!」というような、

自分自身の価値を貶めるような言葉が

何度も何度も降ってくると、

自己否定が前堤の人生になりやすいです。

 

これらの経験は、親に対しても他人に対しても、

●期待に応えないと自分はダメで価値がないし辛い思いをする。

●相手を不機嫌にすると嫌われる。

●いい子でいないと愛してもらえない。

●失敗したら終わりだし価値がない。

●明るくポジティブでいないと愛してもらえない。

●頑張っている自分でいないと認めてもらえないし、愛してももらえない。

というような偏った考えを学んでしまい、

そう思い込んで、そう信じ込んで、

その思考で生きていきます。

 

自然に相手の気持ち重視の生き方が出来上がります。

それは、相手が気分良くいるために、

相手のために、相手の思うように自分が動くということですから、

コントロールされているということになります。

自分の本当の気持ちは奥底に沈み、

それはどんどん積み重なっていきます。

 

思考自体が悪とか間違いという訳ではありませんが、

人の気持ちのみを重視し、

自分の気持ちを無視するというように、

偏りが極端の場合は、

生きづらさに繋がりやすくなります。

バランスが崩れてしまっている状態です。

 

その状態が続くと、

生きづらさを感じたり、

辛い気持ちになることが多いけれど、

辛い気持ちになること自体が良くないことだと思っている場合が多いので、

その気持ち自体を無かったことにしようとして、

無視することが増えていきます。

これまた無意識に。

 

自分の気持ちを無視することは、

自分自身を否定することでもあり、

自己否定が続くと更に辛い気持ちが増幅していくという

負のスパイラルにはまってしまうことが多いです。

 

 

人は誰でも、誰かに自分の気持ちを分かってほしいと

願うものだと思います。

そう願いながらも、

無意識に自分の気持ちを自分で無視したり、

否定したりして生きている場合があります。

 

誰かに自分の気持ちを分かってもらえないと悲しくなるように、

自分が自分の気持ちを否定しているときも

同じように自分を苦しめてしまいます。

自己否定のダメージは計り知れません。

 

自分でも条件つきの愛しか自分に与えることができなくなってしまう。

無条件で自分を受容する力が養われません。

 

自分で自分にダメ出しすることが多いと感じる人、

認めてもらうために必死に頑張っているという人、

ネガティブな感情を必死に抑えようとしている人、

失敗が怖くて何かに挑戦することを避けている人、

良い人でいるために自分の気持ちを押し殺している人は、

 

「自分は無条件で愛してもらえる人」と思えているかどうか、

親や身近な大人から、

条件付きの愛情しかもらえていなかったような気がするかどうか、

少し考える時間を持ってみてもらえたらと思います。

 

人の気持ちばかりを重視して、

自分の気持ちが蔑ろになっている場合は、

苦しさが常にあり、生きづらさを感じるかもしれません。

 

生きづらさに気づいたら、

今の自分にしてあげられることに目を向けてみてもらえたらと思います。

 

 

 

 

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