こんばんは、
心理療法カウンセラーの森口瑞恵です。
ご覧いただきありがとうございます。
以前、東京でおこなわれた
DVについてのキックオフカンファレンスに
参加したことがります。
その時に参加したのは、
DV加害者更生教育プログラム全国ネットワークの
「DV加害者、放置したままでいいですか?」という
とても具体的なタイトルのついた会でした。
タイトルは加害者に焦点が当たっているように見えますが、
あくまで被害者支援の一環としての取り組みです。
加害者が無くならなければ、
被害者も無くならない訳で、
加害者に対する取り組みも、
被害者の支援も両方大切で必要なこと。
これから自分にできることは何だろう。
自分が力を入れていきたい支援とは
何だろう?と、
改めて真剣に考える機会になったことを覚えています。
加害者が被害者だった経験を持つ人も多いです。
被害者としての心の傷を
もっと早くに手当てできていたら・・
その傷つき体験によって学んだ思考や価値観を
もっと早く学び直すことができていたら・・
加害者にならずに済んだかもしれない。
そう思うととても複雑。
でも、加害者になってしまったら、
暴力を選んでしまった責任は
本人が負うことになります。
子どもに対する虐待と、
親密な関係性の中で起きるDVは、
切ることのできない深い関係があります。
報道されることも多い虐待事件ですが、
報道されているのは氷山の一角。
虐待の中のほんの一部です。
知られていない虐待があらゆるところで起きています。
自分たちのまわりでも。
どうやって暴力を減らしていくのか。
たくさんの人に考えてもらえたら・・
虐待やDVはもちろんですが、
いじめもパワハラもモラハラもセクハラも
人が人を傷つける暴力です。
今平和に暮らせている人にも、
他人事ではなく身近な問題としての
意識を持ってもらえることが、
大きな一歩になるのだろうと思います。
このようなカンファレンスやシンポジウムなどに参加すると、
自分の中にも、
まだまだジェンダーバイアスが
残っていると自覚します。
おそらく、多くの人が持っている価値観。
どっちが上だとか、
そのくらいのことはどうってこと無いとか、
やられる方にも問題があるとか、
加害者庇護の考えはまだまだ一定数あるし、
被害者本人もそう思っていたりします。
でも、どんな理由があっても、
暴力を受けても仕方ないなんてことはないはず。
攻撃していい理由にもなりません。
暴力以外の選択肢がある中で、
暴力を使うことを選び、
自分に許可を出しているのは
加害者自身なので、
行動の責任は加害者にあるということを
忘れてはいけないのだと思います。
「やるかやられるか」みたいな思考も
とても危うい感じがします。
ただ、この思考も、
傷ついた経験から学んだ思考である場合が多いです。
やっぱり傷ついた心を癒やすことは必須。
そのうえで、
知らず知らずのうちに
今までの人生ですり込まれてきた価値観を、
身につけてきた思考を、今一度意識して
自ら選び直していきたいと思います。
加害者の更生教育プログラムも、
被害者支援のプログラムも、
両方行っていくことが大切だろうし、
加害者も被害者だった場合は、
加害者に対しても、
被害者としての支援も必要になるのかもしれないし、
とても複雑で難しい。
自分の働いている場所にも
被害者や加害者がいるかもしれない。
自分の子どもの友人のご家庭に平和がないかもしれない。
そうした場合は、
当然、自分にも自分の子どもにも
何らかの影響があるのです。
被害者も加害者も心のゆとりはなく、
怒りや悲しみを抱えているのですから、
まわりの人にも影響はあります。
自分の子どもが成長して
恋愛をしたとき、結婚をしたとき、
当事者になる可能性もあるのです。
自分の大事な人が、
加害者になったり被害者になったり
することがあるかもしれない。
皆が他人事ではなく、
自分のこととして考えていくことが、
少しずつ変化を起こしていくのではないかと思います。
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