子どもへの支配(コントロール)とその後の影響

こんにちは、

訪問心理療法士の森口瑞恵です。

御覧いただきありがとうございます。

  

心が苦しくなる理由のひとつに、

支配(コントロール)する親の存在があります。

  

子どもの気持ちを無視して、

自分の思い通りにコントロールしようとしてしまう親は、

無自覚の場合が少なくありません。


無意識なので気がつかないのです。

  

日常的に何気なくおこなわれている

コントロールの例をいくつかあげてみます。


ひとつひとつは小さな出来事でも、

日常的におこなわれて積み重なっていくことで、

気持ちを尊重してもらえない子どもは、

たくさんの負の感情が心の中に蓄積されます。

  


●条件を付けて脅す例

  
例①

心療内科の医師や病院などを選ぶ時、

子ども側が成人していて

選ぶ思考も力も持っている大人でも、

本人に自由に選ばせません

  
どんなに実績のある先生でも

合わないと感じる人もいて、

安心感や信頼感が持てない場合もあります。

    
それでは治療も進みません。

人間なのですから、

好き嫌いや合う合わないがあるのは当たり前のこと。

    
でも、子どもの苦痛や辛さ、

恐怖心に耳を傾けることはなく、

  
「あの先生じゃなきゃ治してもらえないから!」

「もし医者を変えるなら、もう○○はしてあげないからね!」などと、

  
子ども側がとても困るような条件をつけて

親の思う通りにコントロールしようとします。

  
脅していると言っても過言ではないくらい、

子どもは追い詰められたり、不安になったりします。

  
「子どものため」という名目のもとに親の考えを押し付けます。

  
子どもの気持ちは無視され、苦しみがまたひとつ増えます。

  

例②

親が行きたい場所に子どもが行きたがらない時

(例えば海外旅行やイベント)。

  
「今回行かなければ2度と行けないからね!

最後のチャンスなんだから後で後悔しても知らないよ。」と

不機嫌をあらわにして脅します。

その他、様々な手段を使って「行く」と言わせます。

  
こどもの気持ちは無視され、

親の気持ちは満たされるという構図ができあがり、

それが繰り返されるうちに、

親の気持ちを満たすための行動をとるように

コントロールされていきます。

  

●条件付きの愛情でコントロールする例

例①
「お腹空いた」と子どもが言えば、

「じゃあ、お風呂掃除をしたらご飯作ってあげる」と、

いつでもギブアンドテイクの条件を出す親がいます。

  

幼いころからずっとそれがベースの場合、

子どもから見ると条件付きの愛情になっていて、

それが日常的になると

「自分は無条件では愛してもらえない存在だ」と

学んでしまう子どももいます。

  
  
子どもは親に愛されている実感がもてないので、

自分がどうしたいかよりも、

愛されるために親の思い通りの行動をするように

コントロールされていきます。

  

  
例②
いい子でいるとき、親の云うことを素直に聞くとき、

成績がいいときなど、親の機嫌が良くなるようなことがあると、

優しくしてもらえるけれど、

そうでないときは冷たいしそっけない態度になる親もいます。

  

  
機嫌を損ねると更に冷たくなり辛い思いをします。

  

  
子どもは親の顔色をうかがって

機嫌を損ねないように親の望むような行動をするように

コントロールされていきます。

  

  

●精神的な親子逆転の例

子どもに対して、苦労話や愚痴、

自分がどんなに頑張っているか、

どんなに大変かを切々と語る親がいます。

  
たとえ言葉にしなくても、

ため息をついたり、泣いていたり、

悲しそうな顔をしていたり、イライラしていたり・・

それが日常的だとコントロールにつながっていきます。

  
子どもから見て母親が大変そうだったり、

かわいそうに見える場合


子どもは母親の手を煩わせないよう、

迷惑をかけないよう、困らせないよう、

これ以上大変にならないようにと、

母親を気使い良い子でいる努力をします。

  
でも、このような良い子は

大人から見ての都合の良い子であり、

どもは自分の気持ちを後回しにして辛い状態です。

  
親の愚痴を聞いて親の心を楽にしてあげながら、

子ども自身の思いは我慢して良い子でいようとする。

精神的な親子逆転になっていて

子どもらしくいられず大人になるしかありません。

子どもらしくいることも、自分らしくいることもできない状態に

コントロールされてしまいます。

  

●暴力を使って支配する例

恐怖を与えてコントロールしたり、

自尊心や考える力を奪ってコントロールします。

脅すのもバカにするのも精神的な暴力です。

コントロールの一例をご紹介しましたが、

コントロールの手段はたくさんあります。

  
  
支配(コントロール)は尊重と対極にあるもの。

気持ちを尊重されないことばかりだったり、

存在そのものを無条件に愛された記憶のない子どもが、

自分の存在価値を感じられなくなってしまう例がたくさんあります。

  
  
自分の価値が低いと思ってしまったり、

無条件に居てもいい存在だと思えないのは、

心が苦しくなる大きな要因です。

  
  
気持ちを無視されて、

親の思い通りにコントロールされる

子どもの苦しみや辛さは、

計り知れないほど大きいです。

  
でも、親の言うことを聞かなければ

自分が困ることになり、

結局辛い思いをすることになります。

   
それらの我慢と辛さが限界にくると、

大きな怒りが沸くようになり

心の不安定さは増し、

怒りが外に向いて暴れる子どももいます。

   
内に向くと自傷行為になる場合もあります。

   
どちらも交互に繰り返されることもあります。
  

  
自分に向く場合、

リストカットや摂食障害、

髪の毛をむしる、死のうとする、

うつ、パニック、神経症など、

症状は様々です。

  
  
暴れるくらい子どもが追い詰められても、

支配的な親は、

「今度暴れたら家を出ていってもらうからね!」と

怒ってその行動だけをやめさせようとします。

   
大きなため息をついて

何も言わずに片付ける親もいます。

  
暴れてSOSを出しても、

理由すら聞いてもらえず、

やっぱり気持ちはわかってもらえず無視されるのです。

    
  
ここまで追い詰められても

気持ちを聞いてもらえない子どもの絶望

想像を絶するものです。

  

  

過干渉や過保護も度を越えたものは有害でしかありません。

  

子どものことを想って、良かれと思って・・という親御さんもおられますが、

子どもにとっては良かれではない事が多いのです。

  

過干渉の環境の中で育った場合に多くみられるのは、

自立心が育たず、人間関係もうまく築くことができず、

辛い思いを抱えて生きづらい人生を送っている子ども達です。

  

神経症やうつ、不登校や引きこもり、

または他人への攻撃という形で現れることもあります。

  

社会人になってから症状化する方もいるので、

何が根本的な原因かあいまいになりがちです。
  

仕事のストレスがきっかけでうつ病になったとしても、

実は、子ども時代の過干渉による傷や、それによって根付いた思考が

根本的な原因であることが少なくありません。

  

  
  
カウンセリングに来られる方の中には、

自分が死ぬか親を殺すしかないと思ってしまうほど

追い詰められた気持ちの方が多くいます。

  
子どもといっても、今はもう大人で、

10代から60代以上の方まで男女問わず幅広いです。

    
  
たとえ悪気はなくても、

知らず知らずのうちに子どもを

コントロールしてしまっていないか、

親が自分自身を客観視して気づいていくことが必要。

  
  
完璧な人間はいないので、

無意識に人をコントロールしてしまうような経験は

誰にでもあると思います。

  

  

私自身もコントロールしてしまっていたこと、

されていたことに気づいたこと、

両方あります。

  

  
小さなものは、言われてもコントロールだなんて

思わないものもあるでしょう。

きっとどなたにも経験があるものだと思います。

  

  
でも、それが日常的になり、

どんどん支配が強くなって

子どもを苦しませるまでいくことのないよう、

自分で気づいていくことが大切なのではないかと思います。

  

気付いて、自分の傷を癒し、尊重ベースのコミュニケーションにしていく。

その過程が大切ですし、

そのためのワークはたくさんあります。

自分の内面と向き合いながら、少しずつ進めていきます。

  

他人にどう思われているか怖いと感じやすい人は、

親の顔色を伺っていた経験が

たくさんあるのかもしれない。

  

いつも恋愛がうまくいかない人は、

条件付きの愛情しか知らずに、

自分は無条件には愛されない人だと

思い込んでいるかもしれない。

  

コントロールされていた経験が

今の自分の生きづらさに繋がっていることが

多々あります。

  

  
支配から尊重へ。

自分も相手も大切にするコミュニケーションにしていきたい。

  
健全な愛情の形、

子どもの求めている愛情に気づいていきたい。

何でも子どもの願いを叶えろということではありません。

  

大事なのは、叶えることより聴くこと。

親が自分の思いを押し付けるだけでなく、

聞いて受け止めて、

親の思いも考えも伝えて、

一緒に考えて選ぶ力を養うことだと思います。

  

子どもの気持ちや本音をちゃんと聞いてあげること、

その思いを否定せずに受け取ってあげることが

大切だと思うのです。

  

支配的な親もまた、

支配されて傷ついた経験があるのかもしれません。

誰にでも子ども時代があるのですから。

  
親に気持ちをわかってもらえない深い悲しみが

今も心の中にある場合は、

その傷を癒して、

相手をコントロールする関わり方ではなく

尊重と受容をベースにした関わりに変えていくことが

健全な子育てにもつながるのではないかと思います。

  
  
「あっ、自分もそうだったかも!」と、

気づくことから始まります

   
自分と大切な人達のために、

ひとりひとりが自分の内側を観察してみよう!

  

自分を深く理解していく過程はとても興味深くもあります。

あーそういうことだったのか、

だから自分はいつもこうだったのか。と、納得できたり。

  

納得するだけであって、

ダメとか悪いとかジャッジすることでもないです。

ただただ、自分を知っていく。

  

そんなワークに取り組みたい方は、

ぜひお声がけください。

  

  

  

 

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心と身体のケアを大切にし、

心身のバランスを整え、

自ら輝く力と、人も自分も大切にする力を。

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