こんにちは、心理療法カウンセラーの森口瑞恵です。
ご覧いただきありがとうございます。
生きづらさを抱えている方の中には、
自分の親の親代わりをしてきたという方がたくさんいます。
例えば、
精神的に親子逆転になっていて、
親の話を聴く役目を小さい頃から負っていた場合。
子どもが自分の話をする前に、
親の話を聴かされる。
苦労話、頑張っている話、辛い話、愚痴など・・
子ども側は、自分の話は聴いてもらえない場合も多いです。
それは、
親自身が自分の抱えているものを解決できていないから。
いっぱいいっぱいだと、聴く余裕もないから。
自分のことでいっぱいいっぱいの親を見続けると、
親に愛されていないと感じる子もいます。
大切に想われていないと感じる子もいます。
自分に対して関心を持ち、ちゃんと見てくれないのなら、
なぜ産んだのだろう?と疑問を持つ子もいます。
子どもが親の辛い話を聞き流せればまだ良いのですが、
それもなかなか難しいこと。
親を思う子どもの気持ちはとても強いものですし、
子どもは元々は親の事が大好きだから。
親が大変そうだと感じた場合、
親が困っているように見えると、
その子なりに「どうしたらいいだろう・・」と、
一生懸命考えます。
親が笑顔になるためには・・
親が幸せになるためには・・
家が平和になるためには・・
エネルギーを自分には使えず、
親のことにエネルギーを奪われます。
そして、
自分にできること、思いつくことを必死にやるようになります。
例えば、
これ以上親に大変な思いをさせる訳にはいかないと、
自分の辛さや困りごとは自分で解決しなければと思う子もいます。
自分が良い子でいることで、
心配や苦労をかけないようにする子もいます。
親のことを心配して気をまわしながら、
愛されていないかもと不安を抱えながら、
自分の苦しさは自分で抱えていく子どもの気持ちは、
どんなに重いだろう。
そんな思いものを抱えたまま大人になった子どもが、
生きづらさを抱えるのは自然なことだと思います。
子どもでいて良いはずの時間を失った子ども達。
子どもらしい子ども時代の喪失。
これはとても大きな傷つき体験であり、
喪失による深い悲しみを伴うもの。
子どものときは、
そこにある環境が当たり前で、
喪失体験をしているなんて思ってはいないでしょう。
でも、
大人になった今、生きづらさを感じているのであれば、
自分の心に傷があったかもしれないと、
まずは気づくことが必要です。
親が大変そうだからという理由で、
自分がたくさんの我慢をした辛さ、
子ども時代を失った悲しみ、
自分を犠牲にして頑張ったにも関わらず、
報われなかった無力感、絶望感。
そして、何とかしたかったのにできなかった罪悪感。
そんな様々な複雑な気持ち達が、
大人の今の自分に影響を与えていることがあるのです。
子どもは本当に健気に親のために頑張ってしまう。
そのやさしさが仇となるなんてとても辛い。
その時の気持ちを癒して、
楽に生きられる自分にしてあげよう。
親もまた同じような気持ちを抱えているのかもしれません。
親を悪者にして責めたい訳ではなく、
自分の辛さの理由をしり、手当てする方法を見つけて
気持ちを大事に扱いながら
自分を楽にしてあげることが目的です。
自分を楽にしてあげることで、
自分の子ども達への連鎖を断ち切ることも可能なのです。
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